京セラ CONTAX S2
初めて所有したコンタックスはS2だった。過去形である。早い話が下取りに出してしまったのだ。
引き換えにニコンのAiAF180mmF2.8S(Dタイプになる直前のモデル)が手元にある。
スペックの同一性からよくニコンNewFM2と比較されることが多いこの機械だが、
その両機を使い比べると明らかな差異が見てとれる。
触感である。巻き上げ、シャッターボタン、シャッターダイヤル、巻き戻しクランク、
そしてフィルム感度ダイヤルとすべての操作時における感触の心地よさはコンタックスに軍配が上がる。
とにかく上品なのだ。メカニカル系の縦走りシャッターというのはどうしてもガサツな感触が否めない。
ところがS2はそのガサツ感がかなり抑えられている。
定価で15万円などという非庶民的な価格設定をしているだけのことはある。
そんなカメラだから当然買える訳がない。
壊れたS2をただで貰ったのだ。
カメラのメカ二ズムなんかまったくの無知ゆえ面白半分でボディーカバーを外したら、一部機械部品が破損しているのが見えた。
ドライバーの先でつっついていると、
・・・・・直った。勿論正確には壊れたままなのだから「動いた」と言うべきだが、とにかく使えるようになった。
世界一けち臭いコンタックスオーナーの誕生である。
貰った先がカメラ屋だったのだが、そこへ行ってS2と一緒に引き取られたプラナー50mmF1.4をすかさずGETした。
レンズの方は鏡胴に傷があったのだが、写りにはまったく問題なし、12,000円という破格値で譲ってもらった。
さすがはプラナー、階調感のある柔らかな写真が撮れた。「玄人好みの写真とはこういうものか」と妙に納得した気分になれた。
約1年間の、これまたけち臭いオーナーだったが、楽しい触感をありがとう。
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